緒方貞子さんが逝去なさいました。。。

緒方貞子さんは元国連難民高等弁務官であり、国際協力機構（ＪＩＣＡ）特別顧問であられました。

私の一番の思い出はニューヨークへ毎年行っていた頃のことです。

定宿はイーストのプラザフィフティーという小さなホテルでした。N.Y.勤務の友人に紹介してもらった宿でした。小さくてもドアマンが常時いてそこを通らない限り入れません。その宿のエレベーターで一緒になった米国人女性と話した時です。

彼女が『日本人？』『はい』『日本人とこのホテルで会うのは嬉しい。あなたは私が尊敬する日本人、緒方貞子さんが日本人だから』『…』『貴女はもちろん知ってるわよね』私は恥ずかしいことに存じ上げませんでした。『知りません・・・』『Oh!!!　なんてこと！貴女はもっと知るべきだわよ』と言われました。それ以来もっといろいろな事に目を開かなくてはと猛反省。ただN.Y.が大好き。ウエディングドレスの仕事をしていたのでアメリカの問屋街に通い美術館巡り、カフェ巡りばかりしていた私です。

いけないなあ。日本人なのに。なにも知らない。日本のことちゃんと知らなくては！と。気づかされ恥ずかしくなりました。

現代のプロトコールを改めて洗い直していた時でした。緒方さんが寺西千代子さんと対談されているものを拝読して、実に明解にプロトコールの真髄を語られていました。だいじにすることは形式も大事だけれどいちばん大事なことは人間性。その人の行動する時の態度と語っておられました。会話の内容にも様々なことにも影響すると。プロトコール（国際儀礼）でいちばん大事なことは何事も人ありきと。その上に厳格なルールがあると。

全てのプロトコール、基本のマナーズも人間性が一番大事。あらためて心に留めおきます。あの時に気づかせてくれた米個人女性の姿は決して忘れることはありませんでした。彼女がどのような表情で姿であったか、服装まで頭の引き出しに入っています。緒方さんの訃報を聞きあのエレベーターの５分間貴重であり、目を開かせて貰ったこと蘇りました。これからもその思いを決して忘れず参ります。

緒方貞子さんのご冥福を心からお祈りいたします。

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